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意外と知らない?カロナールとロキソニンの違い

こんにちは!薬剤師医大生のハスツー山瀬です!

「頭が痛い…」「熱が出た…」そんな時、皆さんは何を飲みますか?
薬局やドラッグストアで「カロナール」や「ロキソニン(=ロキソプロフェン)」という名前を見かけることがあるかもしれません。

これらはどちらも、痛みや熱を和らげる「解熱鎮痛剤」ですが、実は全く異なる薬です。
この記事では、カロナールとロキソプロフェンの違いを、わかりやすく解説します。

ハスツー山瀬
ハスツー山瀬
よく使う薬だから知っておこうね!
目次
  1. 作用の仕組みの違い
  2. 効果と得意な症状
  3. 副作用と安全性
  4. まとめ

 

1.作用の仕組みと違い

ロキソニン(成分名:ロキソプロフェン)

ロキソプロフェンは、NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)というグループに属します。 体内で痛みや炎症の原因となる物質(プロスタグランジン)が作られるのを抑えることで、痛みや炎症、熱を鎮めます。 つまり、「炎症」を抑える働きがあるのが大きな特徴です。

例えるなら、熱くなった機械の温度を根本から下げるようなイメージです。

カロナール(成分名:アセトアミノフェン)

カロナールは、アセトアミノフェンという成分で、NSAIDsとは異なる作用機序を持っています。 主に脳の中枢神経に働きかけて、痛みや熱の感覚を和らげます。 ロキソプロフェンとは違い、炎症を抑える作用はほとんどありません

こちらは、熱くなった機械に厚い手袋をして「熱い」と感じにくくするようなイメージです。

2.効果と得意な症状

作用のメカニズムが違うため、効果にも少し違いが出ます。

ロキソニン

炎症を抑える働きがあるため、炎症を伴う痛み(歯痛、生理痛、関節痛、けが後の痛みなど)に特に効果を発揮します。
一般的に、カロナールよりも鎮痛効果が強いとされています。

カロナール

炎症を伴わない発熱や、軽い頭痛筋肉痛などに適しています。
ロキソプロフェンと比べると鎮痛効果はやや劣りますが、発熱時には十分な効果が期待できます。

3.副作用と安全性

ロキソニン

炎症を抑えるために、胃腸の粘膜を保護する物質も同時に抑えてしまうため、胃腸障害(胃痛、胃もたれ、胃潰瘍など)の副作用が出やすい傾向があります。

また、インフルエンザ15歳未満の小児妊婦(28週以降では禁忌)には基本的に使用することはできません

カロナール

ロキソプロフェンと比べて胃腸への負担が少なく、比較的安全性が高いとされています。 インフルエンザ患者や小児、妊婦、授乳中の女性にも処方されることが多いです。

ただし、過剰に服用すると肝臓に負担をかける可能性があるため、用量を守って服用することが重要です。

4.まとめ

特徴 カロナール ロキソプロフェン
主な作用 解熱、鎮痛 解熱、鎮痛、抗炎症
得意な症状 かぜの発熱、軽い頭痛、筋肉痛等 歯痛、生理痛、関節痛等
胃への負担 少ない 多い
安全性 比較的高い(小児や妊婦にも使用可) 胃腸が弱い方や持病のある方では、注意が必要

 

最後に

どちらの薬も効果的ですが、ご自身の症状や体質に合わせて使い分けることが大切です。
特に、市販薬として購入する場合は、必ず添付文書をよく読み、ご不明な点があれば薬剤師に相談してください。
また、痛みや熱がなかなか引かない場合は、自己判断で服用を続けず、必ず医療機関を受診しましょう。

 

【参考文献】
  • ロキソプロフェンナトリウム水和物 添付文書(第一三共株式会社)
  • アセトアミノフェン 添付文書(あゆみ製薬株式会社)
  • 児島 悠史 著, 「薬局ですぐに役立つ薬の比較と使い分け100」, 羊土社, 2022年
ABOUT ME
ハスツー山瀬
地方国立大学の医大生&薬剤師。 薬学部卒業後は製薬会社に就職するも、あるきっかけにより医学部再受験。 本ブログでは主に医学や薬学に関する情報を発信していきます!